夜明け〜時間の中で〜

自陣陸奥守吉行さん考察用。考察用なので全編ネタバレ(完バレ)&萌え要素皆無注意
土佐弁勉強継続中
本編に出てこない裏設定は無効派
タイトルは「維新の嵐」EDテーマ曲より

カテゴリ:刀剣乱舞 > 土佐弁

審神者に対する人称は土佐弁変換考察・2にも簡単にまとめましたが、今回は特に創作向けに分類してみようと思います。

おんし 男審神者・女審神者・動物審神者・無機物審神者などオールマイティに使用可能。
審神者との心の距離が縮まり、主として信頼し活躍を期待するようになった場合などにも。
おまさん おもに子供審神者や女性審神者、高齢者審神者向け。可愛らしい小動物系審神者などにも。
初対面〜まだ互いに遠慮がある間の呼称としても。
おんしゃ
おんしゃあ
あぐらをかいて酒をかっ喰らいながら大笑するような、おおらかでざっくばらんな気性/間柄の審神者向け。
何らかの理由で不審や警戒心を持たれている場合などにも。
おまん 審神者以外の人物への呼び方
三人称での呼び方

実際の土佐弁とは使われ方が少し違いますが、ゲーム中のせりふは誰にもわかりやすいようカスタマイズされているということなので、主なところはゲーム内のセリフから考察し、データ的に足りないところはドラマなどのカスタマイズ土佐弁を参照しました。

■ おんし
極前・後問わずよく使われている二人称なので、オールマイティとしました。
審神者就任三周年以降からこの人称に変わっていること、特に極後に多用されていることから、出会ったばかりのころは「おまさん」または「おんしゃ/おんしゃあ」と呼び、信頼関係を結んでから「おんし」呼びに変えるのも、絆の深まりが感じられていいかもです。

■ おまさん
審神者就任一周年および二周年で極前・後問わず使われている二人称。
語感が優しく、意味も「あなた」「お前さん」と柔らかいので、庇護されている/陸奥守が庇護したいと思っている審神者向けとしてみました。
また、現時点では審神者就任一周年および二周年でのみ使われていることから、審神者のことを駆け出しのひよっことして見守っている時期の人称として「おまさん」を使い、のちに頼れる主に成長したのを見届けてから「おんし」に変えるのも面白いと思います。

■ おんしゃ/おんしゃあ
「貴様」「てめぇ」という意味を持つ二人称。
乱暴な、あるいはとてもラフな言い回しなので、そう呼びかけたくなるようなおおざっぱな気性の審神者や、陸奥守と「おんしゃ」「テメェ」と呼び合えるような仲の審神者向けかなと思いました。
ゲーム中では馬小屋の馬や敵に向けても使われている二人称なので、主というより戦友として頼りにされていたり、あるいは審神者自身が誰にも言えない秘密を持っていたり不審な行動を繰り返したりしていて、陸奥守から警戒されている場合などにも向いているかもしれません。

■ おまん
「おんし」よりもう少し柔らかい言い方。
おもに審神者以外の人物への呼びかけで使われています。


それぞれの硬軟をざっくり分けるとこんな感じになるでしょうか。

軟らかい←――おまさん――おまん――おんし――おんしゃ/おんしゃあ―→荒い
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土佐弁で二次創作する時、どこまで変換すればいいか。結構悩むポイントだと思います。
やるからには出来るだけ正しい土佐弁に近づけたい。でも、土佐弁に詳しくない読者が見ても注釈なしですぐに分かるようにはしておきたい。
文章のどこまでを土佐弁に変換して、どこまでを標準語のままにしておくか。個々人によっていろいろなやり方があると思いますが、とりあえずの目安のひとつとして、個人的な変換方法を載せてみました。


■ 変換するときの考え方二つ

本題に入る前に、土佐弁に詳しくない場合と詳しい場合、二つの立場からの変換について考えてみたいと思います。

1. 普段は標準語を使っていて、土佐弁はあまり分からない・そこまで詳しくない場合

この場合、変換は標準語に土佐弁を「盛っていく」形で行われることが多いのではないでしょうか。

例1:
「目的はサンシュユを探すことだから、そんなに急ぐな」
      ↓
「だから」は土佐弁で「やき」。早速変えよう
      ↓
「目的はサンシュユを探すことやき、そんなに急ぐな」
      ↓
「そんなに」も「ほがぁに」にして……、
      ↓
「目的はサンシュユを探すことやき、ほがぁに急ぐな」
      ↓
あっ、「急ぐな」も土佐弁に変換できる!
「〜するな」は土佐弁で「〜すな」になって、「急ぐ」+「〜すな」で「急ぎな」になるから……、
      ↓
「目的はサンシュユを探すことやき、ほがぁに急ぎな
      ↓
変換完了!

2. 土佐弁を日常的に使っている・熟知している場合

では、普段の会話などで日常的に土佐弁を使っていて標準語ももちろん普通に使いこなす方、例えばドラマやアニメ、ゲームなどの土佐弁指導の方々の場合はどうなるのでしょうか。
実際自分がその立場になったことがないので想像するしかありませんが、インタビュー記事などを読んでいると、例1とは逆に一度作った土佐弁文章の中から意味の通りにくい部分を削って、削ったところに標準語を埋め込むという作業が行われているのではないかと思います。

例2:
「お前がせっかちなだけだろ」
      ↓
おまんいられなだけじゃろ」
      ↓
「いられ」が「せっかち」という意味だとすぐに分かってもらえるだろうか? これは不特定多数のお客さまが見るものだから、全員が全員土佐弁に詳しいとは限らない……、それなら「せっかち」はあえて土佐弁にせず、標準語のままにしておこう
      ↓
「おまんがせっかちなだけじゃろ」
      ↓
変換完了


これらをふまえてゲームの土佐弁を見ていくと、土佐弁に変換されているのは

「わし、おまさん、などの人称代名詞」
「ぜよ、〜じゃのう、などの語尾系」
「〜しゆう、〜しちゅう、などの進行形」
「こがな、ほがな、などの指示代名詞」
「ほんなら、まっこと、〜せん、のうがわるい、などの特徴的な言い回し」


これでだいたい全部だということが分かります。
つまり名詞や動詞などはあまり変えられてないということで、この法則に添って変換すれば、オフィシャルな方言指導の方が変換した土佐弁に近いものが出来るのではないでしょうか。


■ はじめての土佐弁変換

実際に土佐弁に自力変換する時のおすすめ手順はこちらです。

1. 土佐弁を学ぶ

最初に基礎知識を身につけておくと、のちのちの自在な土佐弁創作だけでなく、コンバータで変換した文章をチェックする時にも大変役立ちます。
イチオシのおすすめは、ツイッター上で土佐弁講座を開いてられる土佐弁陸奥守先生土佐弁陸奥守先生講座総集編
かわいいまんがやイラストがふんだんに使われているので、見て読んで楽しく土佐弁を学ぶことが出来ます。

2. コンバータを使う

土佐弁の基礎を学んだら、いよいよ変換作業に入っていきます(とにかく時間がない時・今すぐ土佐弁の作品をアップしたい時などは、1.の手順を飛ばして2.から入るのももちろん可能です)。
とはいえ、文章の最初から最後まで自分の力だけで変換するのはなかなか大変なもの……
そこでおすすめなのが各種土佐弁コンバータ
どんな長い文章も一瞬で変換してくれるので、とても便利です。
個人的なおすすめは「恋する方言変換」さん。手直しするところが少なく、また他の変換サイトではなかなか出てこない「ぜよ」変換もしてくれます。

3. コンバータで変換した文章を手直しする

コンバータはやはり機械での自動変換なので、多少の手直しが必要になります。
ここで役立つのが1.で学んだ基礎知識。文章のつながりや語尾などを見て、適宜修正を加えていきます。

これで変換作業は完成です。


それでは、実際にコンバータを使って変換&手直し作業をしてみます。
※コンバータを使わない変換はこちら⇒創作用土佐弁変換テンプレート・簡易版

4-1. 変換作業例1(コンバータ使用)

最初の文例はこちら。活撃の坂本龍馬のせりふです。


いい刀だろ。兄上に頼み込んで譲ってもらったんだ
土佐じゃあ少しは知られた名刀だよ
けれど、鉄砲の前じゃあ役に立たない
これからの時代は鉄砲があればいい、そう思っていたのになあ
いざ握れないようになったら、まるでこの身体の半分奪われたように感じる



これを「恋する方言変換」で土佐弁に変換します。


ええ刀やろ。兄上に頼み込んで譲ってもろうたんや
土佐じゃあちっくとは知られた名刀ちや
けんど、鉄砲の前じゃあ役に立たん
これからの時代は鉄砲があればええ。そう思うちょったのになあ
いざ握れんようになったら、まるでこの身体の半分奪われたように感じる


このままでもほぼ使えますが、番組中のせりふに合わせてちょっとだけ手を加えてみます。

まずは、語尾の「や」を「じゃ」に変えます。
「やろ」も「や」の部分を「じゃ」にして、「じゃろ」に変えます。


ええ刀じゃろ。兄上に頼み込んで譲ってもろうたんじゃ
土佐じゃあちっくとは知られた名刀ちや
けんど、鉄砲の前じゃあ役に立たん
これからの時代は鉄砲があればええ。そう思うちょったのになあ
いざ握れんようになったら、まるでこの身体の半分奪われたように感じる


次に、これも本編中で使われている台詞に合わせ「もろうたんじゃ」の「ん」を「が」に変えます。
「が」に変えられる「ん」は、「の」に置き換えても通じるかどうか(もろうたんじゃ・もろうたのじゃ)で見分けられます。


ええ刀じゃろ。兄上に頼み込んで譲ってもろうたじゃ
土佐じゃあちっくとは知られた名刀ちや
けんど、鉄砲の前じゃあ役に立たん
これからの時代は鉄砲があればええ。そう思うちょったのになあ
いざ握れんようになったら、まるでこの身体の半分奪われたように感じる


最後に細かいところを直していきます。
「思っていた」は現在進行形「思いゆう」の過去形「思いよった」なので、


ええ刀じゃろ。兄上に頼み込んで譲ってもろうたがじゃ
土佐じゃあちっくとは知られた名刀ちや
けんど、鉄砲の前じゃあ役に立たん
これからの時代は鉄砲があればええ。そう思いよったのになあ
いざ握れんようになったら、まるでこの身体の半分奪われたように感じる


原文はこちら。
多少の差異はありますが、比べてもそれほど大きく離れてはいないのではないでしょうか。

ええ刀じゃろ。兄上に頼み込んで譲ってもろうたがじゃ
土佐じゃあちったあ知られた名刀ぜよ
けんど、鉄砲の前じゃあ役に立たん
これからの時代は鉄砲がありゃあええ。そう思いよったににゃあ
いざ握れんようになったら、まるでこの身体の半分奪われたように感じる

———活撃刀剣乱舞『第九話』より引用


4-2. 変換作業例2(コンバータ使用)

次の文例はこちら、活撃の陸奥守吉行のせりふです。


握れなくても、使えなくても、傍らで、その時まで。見せてやってくれ
俺は、お前の生き様が好きだから



文例1と同じように「恋する方言変換」で土佐弁に変換します。


握れいやけんど、使えいやけんど、傍らで、その時まで。見せちゃってくれ
わしゃ、われの生き様が好きやき


本編中で使われている台詞に合わせて、「われ」を「おまん」に変えます。


握れいやけんど、使えいやけんど、傍らで、その時まで。見せちゃってくれ
わしゃ、おまんの生き様が好きやき


誤変換と思われる「握れいやけんど」「使えいやけんど」を修正します。
「、」を入れずに変換すると「握れいでも」「使えいでも」とかなり良くなるので、この「、」が原因のひとつになっているようですが、とりあえずしゃんしゃん直していきます。
「〜しない」は土佐弁で「〜せん」なので、まずは「握れん」「使えん」にし、その後に続く「ても」を「でも」に(握れんても・使えんても⇒握れんでも・使えんでも)します。


握れんでも使えんでも、傍らで、その時まで。見せちゃってくれ
わしゃ、おまんの生き様が好きやき


原文はこちら。

握れんでも、使えんでも、傍らで、その時まで。見せちゃってくれ
わしは、おまんの生き様が好きやき

———活撃刀剣乱舞『第九話』より引用
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吉行さんの極手紙を全文標準語にしてから土佐弁コンバータにかけたらどうなるか試してみました。
コンバータ選びのご参考にどうぞ〜。
それぞれのコンバータへはこちらから飛べます
※極手紙のネタバレがあります。ご注意ください


■ 陸奥守吉行極手紙 一通目

● 原文

主へ
元気しちょるか? わしは、旅の道すがら、この手紙を書いちょる。
刀の時代の終わりを見て、その限界を日頃語ってきたわしが、
刀としてより強く、でっかい男になろうというのはおかしな話じゃろうか。
けんど、今、主が相対している戦いは、刀剣でなければ通用せん戦いじゃ。
なら、わしも再び刀としての自分を見つめなおす必要があるっちゅうことじゃな。
またそのうち手紙を書くぜよ。

● 標準語訳

主へ
元気しているか?俺は、旅の道すがら、この手紙を書いている。
刀の時代の終わりを見て、その限界を日頃語ってきた俺が、
刀としてより強く、でっかい男になろうというのはおかしな話だろうか。
けれど、今、主が相対している戦いは、刀剣でなければ通用しない戦いだ。
なら、俺も再び刀としての自分を見つめなおす必要があるっちゅうことだな。
またそのうち手紙を書くぜ。

● 恋する方言変換

主へ
元気しちゅーか?わしゃ、旅の道すがら、この手紙を書いちゅー。
刀の時代の終わりを見て、その限界を日頃語ってきたわしが、
刀としてより強う、でっかい男になろうというのはおかしな話やろうか。
けんど、今、主が相対しゆー戦いは、刀剣でなけりゃ通用せん戦いだ。
なら、わしも再び刀としての自分を見つめなおす必要があるっちゅうことだな。
またそのうち手紙を書くぜよ。

● 四国のコトバ

主へ
元気しゆうか?おらは、旅の道すがら、この手紙を書いちゅう。
刀の時代の終わりを見て、その限界を日頃語ってきたおらが、
刀としてより強く、でっかい男になろうというのはおかしな話ろうか。
けれど、今、主が相対しゆう戦いは、刀剣でなければ通用しやせん戦いちや。
なら、おらも再び刀としての自分を見つめなおすいるがあるっちゅうことだな。
またそのうち手紙を書くぜ。

● 土佐弁sweet文章変換

主へ
元気しちゅうか?おらは、旅の道すがら、この手紙を書いちゅう。
刀の時代の終わりを見て、その限界を日頃語ってきたおらが、
刀としてより強く、でっかい男になろうというのはおかしな話ろうか。
けれど、今、主が相対しちゅう戦いは、刀剣でなければ通用しやーせん戦いだ。
なら、おらも再び刀としての自分を見つめなおすいるがあるっちゅうことだな。
またそのうち手紙を書くぜ。

● 土佐弁ドラゴン

主へ
元気しちょるか?おらは、旅の道すがら、この手紙を書いちょる。
刀の時代の終わりを見て、その限界を日頃語ってきたおらけんど、
刀としてより強く、でっかい男になろうというのはへんな話じゃろうか。
けれど、今、主が相対しちょる戦いは、刀剣でなければ通用せん戦いだ。
なら、おらもはやいっぺん刀としての自分を見つめなおす必要があるっちゅうことだな。
またそのうち手紙を書くぜ。

● よさこい龍馬

主へ
元気しちゅうか?おらは、旅の道すがら、この手紙を書いちゅう。
刀の時代の終わりを見て、その限界を日頃語ってきたおらが、
刀としてより強く、でっかい男になろうというのはおかしな話ろうか。
けれど、今、主が相対しちゅう戦いは、刀剣でなければ通用しやーせん戦いだ。
なら、おらも再び刀としての自分を見つめなおすいるがあるっちゅうことだな。
またそのうち手紙を書くぜ。

● もんじろう

主へ
元気しているか?あしは、旅の道すがら、この文状を書いている。
刀の時代の終わりを見て、その限界を日頃語ってきたあしが、
刀としてより強く、でっかい男になろうというのはおかしな話だろうか。
へんど、今、主が相対している戦いは、刀剣でなければ通用しない戦いだ。
なら、あしも再び刀としての自分を見つめなおす必要があるっちゅうことだな。
またそのうち文状を書くぜ。


■ 陸奥守吉行極手紙 二通目

● 原文

主へ
元気しちょるか? わしは今、土佐じゃ。
わしは土佐の刀じゃき、向かうべき場所はここしかなかったんじゃ。
そして、あいつと話をする必要があると思ったんじゃ。
元の主である、坂本龍馬とな。
わしを形作るのは龍馬に対する人々の思いが占める部分が大きい。
限界を越えようとすれば、必ずぶち当たる壁っちゅうことじゃ。
まあ、うまいことやってくるぜよ。

● 標準語訳

主へ
元気しているか? 俺は今、土佐だ。
俺は土佐の刀だから、向かうべき場所はここしかなかったんだ。
そして、あいつと話をする必要があると思ったんだ。
元の主である、坂本龍馬とな。
俺を形作るのは龍馬に対する人々の思いが占める部分が大きい。
限界を越えようとすれば、必ずぶち当たる壁っちゅうことだ。
まあ、うまいことやってくるぜ。

● 恋する方言変換

主へ
元気しちゅーか? わしゃ今、土佐や。
わしゃ土佐の刀やき、向かうべき場所はここしかなかったんや。
そして、あいつと話をする必要がある思うたんや。
元の主である、坂本龍馬とな。
わしを形作るのは龍馬に対する人々の思いが占める部分が大きい。
限界を越えようとすりゃ、必ずぶち当たる壁っちゅうことだ。
まあ、うまいことやってくるぜよ。

● 四国のコトバ

主へ
元気しゆうか? おらは今、土佐ちや。
おらは土佐の刀やき、向かうべき場所はここしかぇかったがちや。
そして、あいつと話をするいるがあると思ったがちや。
元の主やき、坂本龍馬とな。
おらを形作るのは龍馬に対する人々の思いが占める部分がふとい。
限界を越えようとすれば、必ずぶち当たる壁っちゅうことちや。
まあ、うまいことやってくるぜ。

● 土佐弁sweet文章変換

主へ
元気しちゅうか? おらは今、土佐だ。
おらは土佐の刀やき、向かうべき場所はここしかぇかったがだ。
そして、あいつと話をするいるがあると思ったがだ。
元の主やき、坂本龍馬とな。
おらを形作るのは龍馬に対する人々の思いが占める部分がふとい。
限界を越えようとすれば、必ずぶち当たる壁っちゅうことだ。
まあ、うまいことやってくるぜ。

● 土佐弁ドラゴン

主へ
元気しちょるか? おらは今、土佐だ。
おらは土佐の刀やき、向かうべき場所はここしかぇかったがだ。
そき、あいつと話をする必要があると思ったがだ。
元の主やき、坂本龍馬とな。
おらを形作るのは龍馬に対する人々の思いが占める部分が大きいよ。
限界を越えようそうやったら、必ずぶち当たる壁っちゅうことだ。
まあ、うまいことやってくるぜ。

● よさこい龍馬

主へ
元気しちゅうか? おらは今、土佐だ。
おらは土佐の刀やき、向かうべき場所はここしかぇかったがだ。
そして、あいつと話をするいるがあると思ったがだ。
元の主やき、坂本龍馬とな。
おらを形作るのは龍馬に対する人々の思いが占める部分がふとい。
限界を越えようとすれば、必ずぶち当たる壁っちゅうことだ。
まあ、うまいことやってくるぜ。

● もんじろう

主へ
元気しているか? あしは今、土佐だ。
あしは土佐の刀だから、向かうべき場所はここしかなかったんだ。
そして、あいつと話をする必要があると思ったんだ。
元の主である、坂本龍馬とな。
あしを形作るのは龍馬に対する人々の思いが占める部分が大きい。
限界を越えようとすれば、必ずぶち当たる壁っちゅうことだ。
まあ、うまいことやってくるぜ。


■ 陸奥守吉行極手紙 三通目

● 原文

主へ
龍馬と、話をしてきたぜよ。
向こうは、呑み屋で出くわした通りすがりの酔漢としか思うちょらんじゃろうけどな。
結局のところ、新しい道具も、古い道具も、使い方次第じゃ。
新しいからといって万能ではないやき、龍馬はこの後、銃で身を守れず死ぬる。
じゃが、新しいものがあることを知らず、
古いものだけを使い続ければそれは選択肢を狭めるだけじゃ。
わしは、次の時代を見据えつつ、そのために戦う刀になるぜよ。
見違えていききたわしを楽しみにしとおせ。

● 標準語訳

主へ
龍馬と、話をしてきたよ。
向こうは、呑み屋で出くわした通りすがりの酔漢としか思っていないだろうけどな。
結局のところ、新しい道具も、古い道具も、使い方次第だ。
新しいからといって万能ではないから、龍馬はこの後、銃で身を守れず死ぬ。
だが、新しいものがあることを知らず、
古いものだけを使い続ければそれは選択肢を狭めるだけだ。
俺は、次の時代を見据えつつ、そのために戦う刀になるぜ。
見違えて帰ってきた俺を楽しみにしてくれ。

● 恋する方言変換

主へ
龍馬と、話をしてきたぜよ。
向こうは、呑み屋で出くわした通りすがりの酔漢としか思うちょらんやろうけどな。
結局のところ、新しい道具も、古い道具も、使い方次第や。
新しいきといって万能じゃないき、龍馬はこの後、銃で身を守れず死ぬる。
だが、新しいものがあることを知らず、
古いものだけを使い続けりゃそれは選択肢を狭めるだけや。
わしゃ、次の時代を見据えつつ、そのために戦う刀になるぜよ。
見違えて帰ってきたわしを楽しみにしてくれ。

● 四国のコトバ

主へ
龍馬と、話をしてきたよ。
向こうは、呑み屋で出くわやっちゅう通りすがりの酔漢としか思っちゃーせんろうけどな。
結局のところ、さらの道具も、古い道具も、使い方次第ちや。
さらのからといって万能じゃーないから、龍馬はこの後、銃で身を守れず死ぬ。
けんど、さらのががあることを知らず、
古いものだけを使い続ければほりゃあ選択肢を狭めるだけちや。
おらは、次の時代を見据えつつ、そのために戦う刀になるぜ。
見違えていんできたおらを楽しみにおーぜ。

● 土佐弁sweet文章変換

主へ
龍馬と、話をしてきたよ。
向こうは、呑み屋で出くわした通りすがりの酔漢としか思っちゃーせんろうけどな。
結局のところ、さら道具も、古い道具も、使い方次第だ。
さらからといって万能じゃーないがから、龍馬はこの後、銃で身を守れず死ぬ。
けんど、さらものがあることを知らず、
古いものばあを使い続ければほりゃあ選択肢を狭めるばあだ。
おらは、次の時代を見据えつつ、そのために戦う刀になるぜ。
見違えていききたおらを楽しみにしてくれ。

● 土佐弁ドラゴン

主へ 龍馬と、話をしてきたよ。
向こうは、呑み屋で出くわした通りすがりの酔漢としか思っておらんじゃろうけどな。
結局のトコ、さら道具も、古い道具も、使い方次第だ。
さらからといって万能やから、龍馬はこの後、銃で身を守れず死ぬ。
ばあんど、さらものがあることを知らず、
古いもんじゃけを使い続ければほりゃあ選択肢を狭めるばあだ。
おらは、次の時代を見据えつつ、そのために戦う刀になるぜ。
見違えて帰ってきたおらを楽しみにしてくれ。

● よさこい龍馬

主へ
龍馬と、話をしてきたよ。
向こうは、呑み屋で出くわした通りすがりの酔漢としか思っちゃーせんろうけどな。
結局のところ、さら道具も、古い道具も、使い方次第だ。
さらからといって万能やから、龍馬はこの後、銃で身を守れず死ぬ。
けんど、さらものがあることを知らず、
古いものばあを使い続ければほりゃあ選択肢を狭めるばあだ。
おらは、次の時代を見据えつつ、そのために戦う刀になるぜ。
見違えていききたおらを楽しみにしてくれ。

● もんじろう

主へ
龍馬と、話をしてきたよ。
向こうは、呑み屋で出くわした通りすがりの酔漢としか思っちゃーせんだろうけどな。
結局のところ、新しい道具も、古い道具も、使い方次第だ。
新しいからといって万能じゃーないから、龍馬はこの後、銃で身を守れず死ぬ。
だが、新しいものがあることを知らず、
古いものだけを使い続ければそれは選択肢を狭めるだけだ。
あしは、次の時代を見据えつつ、そのために戦う刀になるぜ。
見違えて帰ってきたあしを楽しみにしてくれ。


———手紙原文は『刀剣乱舞-ONLINE-』より引用
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土佐弁勉強の一環として、陸奥守吉行さんから来た手紙を標準語に変えてみました。
※ネタバレあり

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陸奥守吉行の創作をする時、せりふのどこまでを土佐弁に変えればいいのか。
土佐弁変換考察・1の記事もふまえながら、もう少し踏み込んだ考察をしてみました。
※ゲーム版に基いています


● 変換優先度は 人称代名詞=語尾=進行形>その他言い換え

名詞や動詞など文章の主となるもの・意味が分からないと文意が全く通じなくなってしまうものは標準語のまま使う

● ただし、ひとりごとや感情的に非常に昂ぶっている時などは、名詞や動詞なども土佐弁になる時がある
 ⇒「遠征部隊がもんてきちゅうね」「おんしゃあ終いじゃあ!」など

● 「ほたえなや」等の有名な言葉や「のうが悪い」等独特な言い回しはあえて標準語にせず、土佐弁のままで使うことも

● 審神者が目の前にいる。審神者とはまだ馴染みが浅く、接し方を探っている感じ
 ⇒「おんしゃ/おんしゃあ」

● 審神者が目の前にいる。審神者との距離は縮まったけれど、まだまだフォローが必要な未熟な存在として接している
 ⇒「おまさん」

● 審神者が目の前にいる。審神者に心を許していて、自分と対等の仲間・同志として接している
 ⇒「おんし」

● 近くにはいない審神者への呼びかけ
 ⇒「主」※仮確定

● 審神者以外の者への呼びかけ
 ⇒「おまん」※仮確定


では、少しずつ見て行きたいと思います。


■ 人称代名詞

おんしゃは、目標はあるがか? 近侍として審神者に向けて言っている
恐らく一対一、他の刀はこの場にいない
世間話の続きのような気軽な会話
おんしゃあ、わかっちょるのう! 自分を隊長に任命した審神者に向けて言っている
他の刀はこの場にいるかもしれない
こちらも肩肘はらない、ざっくばらんな話し方
おんしゃあが頼みじゃ。よろしくな 世話している馬に向けて言っている
他の刀はこの場にいる可能性が高い
相手が馬なので、やはりざっくばらんな話し方
わしが抜いた以上、おんしゃあ終いじゃあ! 敵に向けて言っている
他の刀はこの場にいる可能性が高い
極の台詞。真剣必殺、つまり必死の状態での言葉なので、語気が荒い
おまさんもこれで一周年じゃ!いつまでも新人顔はできんのう! 就任一周年を迎えた審神者に向けて言っている
恐らく一対一、他の刀はこの場にいない
まだまだ未熟な審神者への励ましと戒めを込めた話し方
おまさんもこれで一周年じゃ! これからもわしらを頼むぜよ! 就任一周年を迎えた審神者に向けて言っている
恐らく一対一、他の刀はこの場にいない
極の台詞。主を主と認め、頼りにしている話し方
おまさん、今日で就任二周年か。がんばってきたのう 就任二周年を迎えた審神者に向けて言っている
恐らく一対一、他の刀はこの場にいない
審神者へのねぎらいを込めた褒め言葉
おまさんは今日で就任二周年じゃ。わしらを支えるでっかい柱になったのう 就任二周年を迎えた審神者に向けて言っている
恐らく一対一、他の刀はこの場にいない
極の台詞。本丸の大黒柱へと成長した審神者への喜びの言葉
これがおんしの戦績ながか 審神者に向けて言っている
恐らく一対一、他の刀はこの場にいない
公式文書を見ているためか、少し改まった話し方
おんし、これからどうするつもりなが? 審神者に向けて言っている
恐らく一対一、他の刀はこの場にいない
上記と同じ状況だがこちらは極の台詞。ただ現状を確認するだけでなく、その先のことまで聞いてきている
おんしもこれで就任三周年じゃ。もうすっかり玄人じゃのう! 審神者に向けて言っている
恐らく一対一、他の刀はこの場にいない
すっかり一人前に成長した審神者の成長を喜ぶ一方、少し改まってもいる話し方
おんしもこれで就任三周年じゃ。わしらをこれからも支えてくれ 審神者に向けて言っている
恐らく一対一、他の刀はこの場にいない
極の台詞。審神者を主として頼りにしている話し方
就任四周年、おめでとう! わしが思うに、おんしはもっとでっかくなれる器じゃ! 審神者に向けて言っている
恐らく一対一、他の刀はこの場にいない
極の台詞。審神者を主として誇りにし、期待している話し方
わしもおんしの本気に応えようとしたまでじゃ。一緒に世界、掴むぜよ! 審神者に向けて言っている
恐らく一対一、他の刀はこの場にいない
極の台詞。審神者をただ守るべき存在ではなく、同じ夢を叶える同志として認めている言葉
主よ、おんしは、わしの見られんかった明日を……絶対に…… 独り言に近い
戦闘の只中、他の刀はいる可能性が高い
極の台詞。同じ夢を追う同志である審神者に後を託す言葉
おまんの言うちょるのはただの感傷じゃ 長曽根虎徹へ向けて言っている
戦場だが一対一で他の刀はすぐ近くにはいないかもしれない
相手を戒めるような言い方
おまんの元主は、銃に撃たれてここに来れんかった 長曽根虎徹へ向けて言っている
戦場だが一対一で他の刀はすぐ近くにはいないかもしれない
相手を諭すような言い方


■ 言い換え

創作用土佐弁変換テンプレート・簡易版でも書いた通り、標準語から人称代名詞(わし・おまさんetc.)、語尾(ぜよ・じゃetc.)、進行形(〜しちょいた・〜しゆう・〜しちゅうetc.)そして独特の言い回し(なんちゃあ・ええ)を変えると、かなり土佐弁っぽくなります。

これらは標準語と似た響きを持つものが多く、土佐弁を知らない人でも意味がつかみやすいために積極的に変えられているのではないかと推察しています。

例えば「わし」は土佐以外の地でも主に年配の方などが使うことがありますし、「おまん」は「お前」、「おんし」は「お主」と語感が似ているので、この言葉はもしかしてこういう意味かな?と思いつくことが出来ます。

語尾も「〜じゃ」「〜のう」などは時代劇でもお馴染みですし、「ながか」は「なのか」と語感が似ているので察しがつきやすく、あるいは「ぜよ」「きに」などのあまり馴染みがなく意味がつかみにくい語尾だったとしても、主文の意味が分かればなんとかなります。
例えば、「刀が農具の代わりをしたらいかんという法はないきに」の中で主となるのは「刀が農具の代わりをしたらいかんという法はない」なので、「きに」が分からなくてもまあとりあえず大丈夫です。

進行形もニュアンスでなんとなーく分かります。「雨が降りよった」と聞けば、過去を表す「〜した」「〜していた」の「た」が文章の最後についていることで、雨が降って……た、のかな? と察しがつきますし、そこまでいかなくても、今か過去かは分からないけど何か雨が降ってるということを言いたいんだな、ということは分かります。

逆に言えば、その文章の中で主となる言葉や土佐弁を知らない人がぱっと見で察しがつきにくい言葉、例えば名詞・動詞・形容詞などは、一部を除いてあまり積極的に変換されていないようです。

では、「人称」「語尾」「進行形」以外はどこをどれくらい変換すればより陸奥守っぽくなるのか。
それを調べるために、その他の「言い換え」の変換を見ていこうと思います。

土佐弁⇒標準語 元のせりふ
ええ⇒良い ・勝てばええんじゃ、勝てばなあ!
・たまにはこういうのもええのう!
・言葉を交わしたほうがええと思うけんど
・なかなかええのう!
・ほんなら、それでええ
が⇒の/ん ・土佐じゃー名刀として評判やったやけど
・せっかくこがなところに来たやき
・おんしゃは、目標はあるか?
・せっかくやったやき
・心中を察したいやったら
・どんな服を着てくるやろうなあ
・今更やっとうの稽古をしても仕方ないか?
・馬の役割が変わる日も、そのうち来るかのう
き⇒から ・ちっくとのうが悪い
け⇒から ・時代の流れについていけんかったのう
けんど⇒けれども けんど、それが世界というもんぜよ
・刀の時代はもうとうの昔に終わってしもうたけんど
(〜して)しもうた⇒(〜して)しまった ・ちっくとばかし強くなってしもうたのう!
・刀の時代はもうとうの昔に終わってしもうたけんど
じゃ⇒だ ・龍馬の時代じゃ、もう刀は時代遅れじゃった
・わしにゃあ、この銃があったら十分じゃがの?
・戦で褒められても、微妙じゃな……
・臨時収入じゃ
・まっはっは、調達じゃ
・どがな奴じゃろうなあ
・あっという間じゃのう
じゃが、まだまだここで立ち止まっちゃおれんのう!
・もうすっかり玄人じゃのう!
・気分転換も必要じゃ
・いつかは、この銃も時代遅れになるじゃろう
・おんしゃあ終いじゃあ!
・拳銃のおかげじゃなあ
・でっかいことを成し遂げてきたんじゃろ?
しょう⇒すごく しょうこわいちや
(思/笑)うた⇒(思/笑)った ・笑うたうた
・なんぞあったかと思うたぜよ!
・死ぬるかと思うたぜよ
ち⇒って ・ほがなことをした
ちっくと⇒少し ちっくとのうが悪いき
ちっくとばかし強くなってしもうたのう!
ちっくと席を外すぜよ
なんちゃあ⇒何でも/大したこと/何も なんちゃあない
なんちゃあじゃない
なんちゃー変わりゃーせんちや
のう(が悪い)⇒具合(が悪い) のうが悪いぜよ
・ちっくとのうが悪いき
ほたえ(な/ている)⇒騒(ぐな/いでいる) ほたえなや
ほたえゆう場合やないな
まっこと⇒本当に まっこと斬新ぜよ!
まっこと充実した時間をすごしたぜよ
もんて⇒帰って ・遠征部隊がもんてきちゅうね
や⇒だ/じゃ ・やな空気にゃ
・銃を使えん状況ったら
・心中を察したいがったら
・どんな服を着てくるがろうなあ
・いくさばっかり
・なんあ……
・ほたえゆう場合ないな
やき⇒だから
(や+き)⇒(だ+から)
(が+やき⇒の+だから/ん+だから)
・せっかくこがなところに来たがやき
・もともとボロ衣装やき、大差ないぜよ
・せっかくやったがやき
・日々戦術研究が必要やき
やけど⇒だけど
(や+けど)⇒(だ+けど)
(が+やけど⇒の+だけど/ん+だけど)
・土佐じゃー名刀として評判やったがやけど
よう⇒良く よう狙って、ばん!
ようまとめて来たぜよ
(いけ・出来・いか・構・使え・変わりゃーせ・来れ・おれ・でき・いら・変わら・いか・見られ)
(いけ・出来・いか・構わ・使え・変わりはし・来れ・いられ・でき・いら・変わら・見られ)ない/なかった
・時代の流れについていけかったけのう
・大砲とか、装備出来かのう?
・いつまでも新人顔はできのう!
・刀が農具の代わりをしたらいかという法はないきに
・放っちょいたらいかぜよ
・構まぜよ
・銃を使え状況やったら
・なんちゃー変わりゃーせんちや
・ここに来れかった
・ここで立ち止まっちゃおれのう!
・軍艦とか、装備できかのう?
・心配いらぜよ
・変わらといか
・わしの見られかった明日を
こがな⇒こんな ・せっかくこがなところに来たがやき
どがな⇒どんな どがな奴じゃろうなあ
ほがな⇒そんな ほがなことをしたち

水色のセル:標準語にも同じような響きの文字があるもの

ええ(良い)
けんど(けれど)
しもうた(しまった)
笑うた/思うた(笑った/思った)
ちっくと(ちょっと)
なんちゃあ(何でも/何も)
もんて(戻って)
〜せん(〜せん)※「言わんこっちゃない」「構わん」など
こがな(こんな)
どがな(どんな)

韻が似ているため、もしかしてあの言葉かな? と思いつきやすく、そこから見当をつけることが出来ます。

緑色のセル:助詞など、それを抜いてもそこそこ文意が分かるもの

おんしゃは、目標はあるがか?⇒おんしゃは、目標はあるか?
ちっくとのうが悪いき、休ませとおせ⇒ちっくとのうが悪い、休ませとおせ
時代の流れについていけんかったけ⇒時代の流れについていけんかった
ほがなことをしたち、なんちゃー変わりゃーせん⇒ほがなことをした、なんちゃー変わりゃーせん
もともとボロ衣装やき、大差ないぜよ⇒もともとボロ衣装、大差ないぜよ
土佐じゃー名刀として評判やったがやけど⇒土佐じゃー名刀として評判やったが

など、そこだけ読めなくても文章としてはなんとかつながります。

黄色のセル:時代劇や年配者の言葉などで馴染みのあるもの

じゃ⇒「そうじゃなあ」
まっこと⇒「まっこと、あっぱれな男よ」
ほたえなや
よう⇒「ようやった!」

ただ「ほたえなや」だけは、龍馬ものを一度も見たことのない人には未知の言葉になるかもしれません。

青色のセル:物語の状況や前後の文章からなんとなく意味がわかるもの

「のうが悪い」は戦場で中傷以上の傷を負ったり、あるいは本丸で手入れを受ける際に「ちっくとのうが悪いき、休ませとおせ」というセリフで出てくるので、「のう」そのものの意味が分からなくても(「脳」と誤解する場合もありますが……)、何か具合が悪いんだなということだけは分かります。

紫色のセル:上記のどれにもあてはまらないもの

しょう⇒すごく(形容詞連体形)
ほがな⇒そんな(連体詞)

これらは標準語にも時代劇などにも似た言い回しがなく、抜いてしまうと文章の意味が少し違ってしまい、また前後の文脈からも意味がつかみにくいものです。
といって、これらの単語の意味がわからなくても、文章そのものが全く意味不明になってしまうとまではいきません。
例えば「しょうこわいちや」の「しょう」を抜いて「こわいちや」にすると怖さのニュアンスは弱まってしまうものの、一番肝心な「怖がっている」ということだけは伝わりますし、「やめちょき、やめちょき。ほがなことをしたち、なんちゃー変わりゃーせんちや」の「ほがな」が分からなくても、「やめとけ。やめとけ。ホニャララ〜しても、何も変わりはしない」……相手に行為の無意味さを訴えかけて止めようとしてるんだな、ということだけは読み取ることは出来ます。


言い換えについてはもう少し詳しく見ていきたいと思います。

■ 土佐弁と標準語の使い分け

参考のため、ゲーム中のセリフで土佐弁と標準語が混在しているものをひとつひとつ見ていきます。

刀/やっとう 龍馬の時代じゃ、もうは時代遅れじゃった 初期選択/刀帳。審神者と一対一、「刀」とは自分のこと?
新撰組のとは喧嘩になりそうぜよ 近侍/本丸。審神者と一対一、「刀」とは相手のこと
がははは、が馬当番! 馬当番開始時。ほかの刀と一緒、「刀」とは自分と相手のこと
が農具の代わりをしたらいかんという法はないきに 畑当番開始時。ほかの刀と一緒、「刀」とは自分と相手のこと
時代は、から銃に移っとったんじゃ 対長曾祢虎徹/回想。ほかの刀と一緒、「刀」とは自分と相手のこと
の時代はもうとうの昔に終わってしもうたけんど 刀帳。審神者と一対一、「刀」とは自分含めた全ての刀のこと?
これからの時代、らしくしよっても、時代遅れじゃき 馬当番開始時。ほかの刀と一緒、「刀」とは自分と相手のこと
が廃れて、農具のほうが役立つ時代はすぐそこぜよ 畑当番開始時。ほかの刀と一緒、「刀」とは自分と相手のこと
やっとうなんて、時代遅れじゃ 近侍/本丸。審神者と一対一、「やっとう」とは自分のこと?初期選択と対
今更やっとうの稽古をしても仕方ないがか? 手合わせ開始時・汎用。ほかの刀と一緒、「やっとう」とは剣術のこと
わしがやっとう苦手じゃと、言った覚えはないぜよ? 手合わせ終了時・汎用。ほかの刀と一緒、「やっとう」とは剣術のこと

「やっとう」は土佐弁ではなく、剣術や剣道、あるいは刀をさす俗称らしいのですが、それはさておき全体をつらつら見ていると、なんとなく法則性のようなものがあるのが分かります。
まず、本丸の「やっとうなんて、時代遅れじゃ」は同台詞内の「時代は拳銃ぜよ」、および刀帳の「龍馬の時代じゃ、もう刀は時代遅れじゃった」と対になっていると読めるので、「やっとうなんて、時代遅れじゃ」の「やっとう」は剣術ではなく刀をさしていると分かります。
ではなぜ刀帳では「刀」と言い、本丸では「やっとう」と呼んでいるかなのですが、これは刀帳のテキストは本来チュートリアルテキスト=審神者と初めて対面した時の台詞なので、土佐弁や俗称が分からない(可能性が高い)審神者のために刀帳(=チュートリアル)では「刀」と標準語で言い、一方本丸では既に近侍にしている=審神者ともある程度以上馴染んで土佐弁や俗称を出しても分かってもらえる状況になったため「やっとう」にしている、と考えることが出来ます。
ちなみに、極前の本丸で刀ではなく「やっとう」という言葉を選んだ理由ですが……、他の場合はどれも自分や他の刀も含めて広く「刀」と言っているのに対し、本丸では自分だけを指して多少の自嘲も込めて「やっとう」と言ったのではないかと考えています。
「新選組の刀とは〜」と同じく、極前の陸奥守さんの後ろ向きな視線が垣間見える台詞です。

帰ってくる/もんてくる おお! 帰ってきちょったか! 近侍/長期留守。審神者と一対一、久しぶりの対面
遠征部隊がもんてきちゅうね 近侍/遠征部隊出迎え。審神者と一対一だが意識は遠征部隊の方へ

長期留守の台詞で出てくる「帰ってくる」はチュートリアルと同じく、久しぶりの本丸で審神者は土佐弁を忘れてしまっているかもしれない、じゃあ標準語で話そう、という気遣いが伺えます。
遠征部隊の出迎え台詞「もんてきちゅう」は本丸および審神者への慣れと信頼、あるいは帰ってくる遠征部隊の方に気を取られているためにうっかり土佐弁が出てしまった……のどちらかが考えられます。

どんな/どがな あいつ、どんな服を着てくるがやろうなあ 修行見送り/近侍。審神者と一対一?、ほぼひとりごと?
新入りは、どがな奴じゃろうなあ 鍛刀。審神者と一対一、日常のこと

前者は近侍台詞ですが、審神者(及び修行の旅に出る刀剣を見送りに来た仲間たち)に言っているような台詞なので、土佐弁がわからない仲間にも通じるよう、「どんな」と言ったのかもしれません。
後者は鍛刀完成時の台詞ですが、こちらは審神者に答えを求めるものというより、鍛刀で迎え入れる仲間を楽しみにするあまり思わず出たひとりごとと取ることも出来そうです。
その場合は遠征帰還台詞と同じく、意図せず土佐弁が出てしまったのかもしれません。

疲れる/だれる 疲れちゅう時には、この甘さがたまらんのう! 一口団子。審神者と一対一、特別なこと

ゲームの陸奥守さんは基本的に動詞は土佐弁にしないので、「だれる」ではなく「疲れる」と言ったのではないかと思われます。

のorん/が その先を見据えるが肝要ぜよ 本丸。極台詞、審神者と一対一
なーんもすることがないっちゅうは、もったいないのう 本丸/放置。審神者と一対一、あるいは一人きり?
おまんの言うちょるはただの感傷じゃ 回想/長曽根虎徹。長曽根虎徹へ向けて
たまにはこういうもええのう! 手合せ終了時/大和守安定。大和守安定へ向けて
いくさばっかりやと気が滅入るもわかる 長期留守。審神者と一対一
でっかいことを成し遂げてきたじゃろ? 長期留守。極台詞。審神者と一対一
おんしゃは、目標はあるか?
近侍/本丸。審神者と一対一?
今更やっとうの稽古をしても仕方ないか? 手合わせ開始時・汎用。相方の刀と一緒
馬の役割が変わる日も、そのうち来るかのう 馬当番開始時。極台詞、相方の刀と一緒
土佐じゃー名刀として評判やったやけど
初期選択&刀帳。審神者と一対一
せっかくこがなところに来たやき
刀剣入手。審神者と一対一?
せっかくやったやき
任務/完了。審神者と一対一?
心中を察したいやったら
手合せ終了/長曽根虎徹。長曽根虎徹へ向けて
どんな服を着てくるやろうなあ
修行見送り/近侍。審神者と一対一?、特別なこと、他にも周囲に見送りがいる?

確定とするのは難しいですが、もし使い分けるとしたら

・直後に「か」が来る⇒か 「おんしゃは、目標はあるがか?」
・直後に「や」が来る⇒や 「せっかくやったがやき」
・それ以外⇒「の」もしくは「ん」 「その先を見据えるのが肝要ぜよ」「なーんもすることがないっちゅうのは、もったいないのう」「たまにはこういうのもええのう!」「でっかいことを成し遂げてきたんじゃろ?」

となるでしょうか。

しても/したち 戦で褒められても、微妙じゃな…… 戦場/誉。ほぼひとりごと。他の刀がいる可能性が高い
今更やっとうの稽古をしても仕方ないがか? 手合わせ開始。相方の刀がいる
これからの時代、刀が刀らしくしよっても、時代遅れじゃき! 馬当番開始。極台詞、相方の刀がいる
ほがなことをしたち、なんちゃー変わりゃーせんちや 回想/長曽根虎徹。長曽根虎徹へ向けて

「(し)たち」は土佐弁に詳しくないと意味のわかりにくい言葉なので、普通は「しても」と言っているのではないでしょうか。
けれど回想の時は「ほがな」「したち」「なんちゃー」「変わりゃーせん」「ちや」とわざと濃い土佐弁を多様することで、逆に相手への言葉の当たりを柔らかくしようと配慮しているように思えます。
多少きついことでも言うべきことは言っておかなければならない、けれど標準語のままだとあまりに言葉が強すぎるので、濃いめの土佐弁を多用することで少しでも耳当たりを和らげよう――と。

終わり/終い 囲まれたら終わりじゃ 戦場/索敵。他の刀に注意を呼びかけている
商談は、足元見られたら終わりぜよ 万屋。極台詞、審神者(あるいは一緒に来ている他の刀剣)に注意を促している
わしはここで終わり 刀剣破壊。ほぼひとりごと
おんしゃあ終いじゃあ! 真剣必殺。極台詞、敵に向けてのもの

これも冷静な(破壊時も含めて)時は「終わり」で、怒髪天になった時のみ「終い」になるのかもしれません。



———『刀剣乱舞-ONLINE-』より引用
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陸奥守吉行のCVを担当されている濱健人さんによる土佐勉講座ツイを集めてみました。
現在は第8回まで掲載されているようです。
各ツイの末尾にある掲載日時(第一回目なら『19:44 - 2015年3月15日』と書いてあるところ)を押すと、元ツイを見ることが出来ます。

Twitterは時間が経ったツイへの検索機能が少し弱いので、今回記事としてご紹介させていただきました。









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創作用土佐弁変換テンプレート・簡易版の更なる簡略版です。
作りやすさ重視で変換を最小限に絞ってありますので、長いせりふや複雑な言い回しにはちょっと不向きですが、短い一言せりふを作りたい時などにお役に立てるのではと思います。


俺、僕、私など わし
君、あんた おまん※「おんし」より柔らかい言い方
あんた、お前 おんし
貴様、てめぇ おんしゃあ

じゃ
〜だ、〜よ、〜ぜ、〜ぞ、etc ぜよ
〜なあ 〜のう
〜のか 〜がか
〜のだから/〜んだから 〜がやき
〜から 〜き

○○しない ○○せん
いい えい/ええ
だから やき



〜している 〜しちゅう/〜しちょる
〜していた 〜しちょった
〜しておく 〜しちょく
〜していない 〜しちゃあせん


語尾

「俺は坂本龍馬。土佐の出」 ⇒ 「わしは坂本龍馬。土佐の出じゃ
「畑仕事をする!」 ⇒ 「畑仕事をするぜよ!」
「今日は暑いなあ」 ⇒ 「今日は暑いのう
「そうなのか。知っていたのか」 ⇒ 「そうながか。知っちょったがか
「明日は遠征へ行くんだから、もう寝るぞ」 ⇒ 「明日は遠征へ行くがやき、もう寝るぜよ」
「手合わせに行くから、支度しないと」 ⇒ 「手合わせに行く、支度せんと」

言い換え

「あんたは変わらないなあ」 ⇒ 「おまんは変わらのう」
「それがいいよ」 ⇒ 「それがえいぜよ」
だから、つまみ食いなんてしてないから」 ⇒ 「やき、つまみ食いなんてしちゃあせんき」

進行形

「分かってる。気をつけて行くから」 ⇒ 「分かっちゅう。気をつけて行くき」
「お前、気付いていたのか!」 ⇒ 「おんし、気付いちょったがか!」
「俺が主に言っておくから」 ⇒ 「わしが主に言うちょくき」
「俺は何もしていない」 ⇒ 「わしは何もしちゃあせん
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