夜明け〜時間の中で〜

自陣陸奥守吉行さん考察用。考察用なので全編ネタバレ(完バレ)&萌え要素皆無注意
土佐弁勉強継続中
本編に出てこない裏設定は無効派
タイトルは「維新の嵐」EDテーマ曲より

カテゴリ:刀剣乱舞 > 考察

公式の設定資料集が手元に届く前にひとつ。

通常&負傷時戦闘絵のむっちゃんを見ると、刀を持つ右手を体に引き寄せ、その上に銃を持つ左腕を交差させてます。
刀の構え1
———『刀剣乱舞−ONLINE−』より引用
真剣必殺の方は交差こそしていないものの、銃を持つ左腕だけを敵に向けて突き出し、刀を持つ右手はやはり体のすぐ側に引き寄せています。
刀の構え2
———『刀剣乱舞−ONLINE−』より引用
つまり彼は戦闘中は常に———真剣必殺の時でさえも———刀を身体のすぐ脇に寄せているのです。
少なくとも、今現在実装されている絵を見る限りでは。

最初は二刀流の構えかと思ったのだけれど、それならこんなふうに身体の側面ではなく、すぐに相手に振り抜ける前面での構えになるんじゃないかな、と(勿論、剣道も剣術も全く詳しくないので断言は出来ませんが)。
あるいは殺陣だとこういう構えになることもあるようですが、いずれにせよこういう構えになるのは

1. 振りぬくための前準備
2. 一方の手に持った武器を大きく動かすために、反対側の手に持った武器を身体の側に寄せて邪魔にならないようにしている
3. 防御の構え

のうちのどれかをするためっぽいです。

そこで改めて戦闘絵や真剣必殺絵を見ると、むっちゃんは刀を動かしてる(=使っている)様子が見えないので、どうも1番の理由ではないようです。
となると、2.の理由で銃を自在に撃つために刀を一時的に身体の側に寄せているのかな、とも考えられるんですが……、しかし先に書いた通り、むっちゃんに刀を使っている様子が———少なくとも絵で見る限りでは———伺えない、すなわち「一時的に」寄せているのではなく、「ずっと」寄せっぱなしっぽいので、これもどうやら違うようです。

そうなると、残るのは……。


ぱっと見で分かる通り、むっちゃんは龍馬さんの思考や口調、しぐさや性癖などをほぼ丸ごとコピーしています。
刀剣世界での龍馬さんがどういう容姿をしていたのか。公式で公表されない限りそれを知る術はありませんがしかし、もしかしたらむっちゃんは、彼の髪のクセから流し方、果ては容姿までも、出来るだけ忠実に再現しているのかもしれません。
体型から体格から容貌までを丸ごと全てを自分の容姿の上に乗せ、出来るだけ”彼”に近くなるように、と。

豪放磊落な普段の立ち絵には、そんなふうに龍馬さんライズされたむっちゃんが。
そして通常戦闘→負傷→真剣必殺と状況が悪化していくにつれ鋭くなっていく容貌と視線には、装う余裕をなくしたむっちゃんの本来の姿が表されているのかもしれません。

そしてもしこの推測が合っていたとしたなら、むっちゃんが抜身の刀で———決して振ることのない刀で何を守りたかったのか、守ろうとしているのか、見えてくるような気がします。

龍馬さんを映した肉体に自身の魂が宿る刀を寄り添わせ、そうして彼を護る盾となり刃となることで、今度こそ誰にも、一筋の傷さえもつけさせまいとしているのではないだろうか、と。
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ネットで確認出来るむっちゃんの公式情報です。

■ 刀剣乱舞-ONLINE- 特設サイト

http://www.dmm.com/netgame/feature/tohken.html

幕末の英雄、坂本龍馬の打刀
打刀 陸奥守吉行[むつのかみよしゆき] CV:濱 健人

時代は拳銃ぜよ。やっとうなんて時代遅れじゃ

坂本竜馬が佩刀していたとされる打刀。
田舎くささは抜け切らないが新しいもの好き。
自身の野心と主への忠誠心、どちらに対しても真っ直ぐ。
———刀剣乱舞-ONLINE- 特設サイト『最初に選べる刀剣は彼ら!』より引用

■ 「刀剣乱舞」原作ツイッター

https://twitter.com/tkrb_ntr/status/535690098772152322/


■ 刀剣乱舞-ONLINE-「初期刀選択」および「刀帳」

http://www.dmm.com/netgame_s/tohken/

打刀 陸奥守吉行[むつのかみよしゆき]

「わしは陸奥守吉行じゃ。そうそう、
 坂本龍馬の佩刀として知られちゅうね。
 土佐じゃー名刀として評判やったがやけど、
 龍馬の時代じゃ、もう刀は時代遅れじゃった。
 けんど、それが世界というもんぜよ」
———刀剣乱舞-ONLINE-『初期刀選択・刀帳』より引用
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公式の設定資料集が発売される前にひとつ。

むっちゃんの眉は存外、細い。
おおよその場合、眉の枝分かれあるいは毛羽立ちは眉毛が太くそして豊かだということを示していて、その人物の男らしさ・豪胆さ、あるいは無骨さや時に浅慮さなどを示す記号となることが多いのに、むっちゃんの眉はその記号に反発するかのようにいっそ優美なほどに細い。……

そのことに気付いてむっちゃんを見ていたら、あの枝分かれした細い眉は龍の角に。
両のハネ髪は龍の耳に。
一房垂れた後ろ髪は、龍のたてがみに。
そして、内番では彼の頭をつつむ巾に・戦闘服では肩にと、彼の上半身の装具のみに描かれている青海波は龍のウロコに見えて来ました。
それから、彼とともに顕現した銃。弾詰まりも不発も暴発も起こさず、彼の意のままに弾が込められ、敵を撃ち倒し、そうして恐らくは、戦いのあとは薬莢も弾もあとかたもなく消えてしまうもの。
龍馬とともに在りたい、せめてその形見を身につけていたい、戦いたくない、でも戦ってそして勝たなくてはならない。そんな彼の望みの全てを叶えるもの———彼にとっての如意宝珠。

長く垂れ下がるふさふさの腰紐は、馬の尻尾。
ももで太く、すねでキュッと細くなるたっつけ袴は、馬の後ろ足。


上半身の龍と、下半身の馬。
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イベント用に編成しなおした第一部隊は地下へ。
近侍兼第一部隊長の3rdむっちゃんを先頭に、6-1攻略用の第三部隊から今剣さん・厚さん・五虎退さん・平野さんがレベル上げ兼で加わり、さらに固定ダメージ槍対策として古参の長谷部さんも組み込んで、探索を続けている。
ただいま地下42階。

内番は短刀一人と打刀一人のペアで畑仕事。
今日の担当は乱さんと山姥切さん。
打刀は数値が上がりやすい(気がする)ので、数値が上がりにくい短刀と組ませて呼び水に。

鍛刀と刀装の部屋は政府が改築するまで閉鎖。
その隣の部屋に一期一振さんとにっかりさんが資材を運びこみ内装を整えて、石切丸さん専用の祈祷部屋に設え直している。

三日月さん率いる第四部隊はまったりと遠征へ。
太郎太刀さんと次郎太刀さんが玉鋼を、石切丸さんと岩融さんが冷却材を、鶯丸さんが砥石をたくさん抱えて帰ってくる。

軽傷までいかない怪我でもすぐに手入れ部屋行き。
全員の手入れが終わるまで出陣はすべて取りやめ。
疲労マークが出ても取りやめ。
出番のない同田貫さんがキエェェェーッ! と叫びながら畑をむちゃくちゃ耕してる。
初期刀むっちゃんがそれを苦笑混じりにたしなめつつ、鯰尾さんと堀川さんに種まきの手配をお願いしている。

対検非違使用に組まれた第二部隊は、地下探索が終わるまでお休み。
隊長の長曽根さんの指揮のもと、蜻蛉切さんと獅子王さんが道場の掃除をし、骨喰さんと蛍丸さんが武具の手入れをしている。
蜂須賀さんはちょっと不服そうに窓を濡れ雑巾でごしごし拭いている。

小夜さんと愛染さんが運んできた野菜を、前田さんと秋田さんが丁寧に洗っている。
江雪さんがにんじんの皮をくるくると剥き、山伏さんが材料を豪快に炒めている。
出来上がった料理を和泉守さんと鶴丸さんがこっちのほうがかっこいいとか、いやこのほうが驚きがあるとか言い争いながら盛りつけている。

薬研さんが馬たちの健康状態を確かめながらていねいに毛を梳き、御手杵さんが寝藁を新しいものに変えている。
大倶利伽羅さんが泉から汲んで来たばかりの水を水飲み場に注ぎ、浦島さんが馬たちにせかされつつ飼葉を与えている。

ぽかぽかと陽のあたる広い庭で歌仙さんと宗三さんが蹴鞠を楽しみ、縁側に腰掛けた鳴狐さんがそれを眺めている。

広間では2ndむっちゃんと燭台切さんが地図を囲んで次の戦場と作戦について話し合っている。


小狐丸さんが本丸に来る日は多分、ない。

そんなホワイト本丸。



ただのプレイヤーには事態を見ていることしか出来ないので、時間がかかってでもとにかく、諸々のことをクリアにしていただけたならと願っています。
http://wikiwiki.jp/tukntusk/
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むっちゃんが度々口にする「銃」と「刀」、そして基本穏やかなむっちゃんが唯一嫌悪を露わにする「新撰組」について、前回のむっちゃんと銃と刀も踏まえて検証してみました。


むっちゃんが「刀」と「銃」について、直接言及しているセリフは今のところ、以下のものが挙げられます。
銃は剣より強し、じゃ

———刀剣乱舞ONLINE『攻撃』より引用

土佐じゃー名刀として評判やったがやけど、龍馬の時代じゃ、もう刀は時代遅れじゃった。

———刀剣乱舞ONLINE『刀帳』より引用

時代は拳銃ぜよ。やっとうなんて、時代遅れじゃ

———刀剣乱舞ONLINE『本丸』より引用

今更やっとうの稽古をしても仕方ないがか?

———刀剣乱舞ONLINE『手合せ(汎用)』より引用
これらのセリフからは、新しもの好きゆえに新時代の武器(銃)を重用する気持ちと、龍馬を守れた銃を上に・守れなかった刀(=自分自身)を下に置く気持ち——大切な龍馬を守れなかった自分自身への、ある種蔑視とでも呼ぶべき複雑な想いが読み取れます。

また、「やっとう」は通常は剣術そのものを指す言葉らしいのですが、
銃を使えん状況やったら、普通に剣術使うに決まっちゅうやんか

———刀剣乱舞ONLINE『手合せ(対和泉守兼定)』より引用
と「やっとう」と「剣術」を使い分けているところを見ると、彼がここで言っている「やっとう」は、彼が”古い”とする「刀を使っての戦い」そのものを指しているんじゃないかと思われます。
だからこそ、やっとうを「時代遅れ」「いまさら稽古をしても仕方がない」と下げているのじゃないだろうか、と。

さて。
むっちゃんは新撰組について、次のようなことを言っています。
新撰組の刀とは喧嘩になりそうぜよ。あいつら、時代の流れについていけんかったけのう

———刀剣乱舞ONLINE『本丸』より引用
他の本丸セリフとも合わせて考えるに、これは他者のいない、審神者(=プレイヤー)と二人きりの空間だからこそ出てきたむっちゃんの本音なんだろうと推測出来ます。
普段の陽気なしゃべり方とは全くベクトルの異なった、蒼昏い怒りと憎しみの炎がちろちろと舌を覗かせているその口調からは、龍馬とそっくりな姿をとっていながら普段はその名を口に出すことがないむっちゃんの秘めたる想いが——最愛の主・龍馬を失った悲哀と、それを上回る殺戮者たちへの瞋恚が伝わってくるようです。

ではむっちゃんは新撰組に属する者たち全員に憎悪の念を抱いているのかというと、それもちょっと違うかな、という気がしています。

注目したいのは先述のセリフのこの部分。

あいつら、時代の流れについていけんかったけのう

龍馬を手にかけたのが京都見廻組だったにしろ、新撰組だったにしろ、他の誰かの仕業だったにしろ、一つだけ確実に言えるのは「龍馬は時代が変わるのをよしとしない者たちに殺された」ということ。
つまりむっちゃんにとって、龍馬の命を奪った者たち——「新しい時代を受け入れない、旧き時代に縛られた者たち」全てが憎むべき対象であり、新撰組もその「旧き(=幕府側の)者たち」の一つだからこそ「喧嘩になりそう」と言ったのじゃないかと見ています。
隊員一人一人に対してではなく、新撰組という組織そのものに。

けれど。
わしが長か!? おんしゃあ、わかっちょるのう!

———刀剣乱舞ONLINE『編成/隊長』より引用
龍馬から長の気質をも受け継いだむっちゃんにとって、その憎悪を新撰組の隊員刀たちにぶつけたり、ましてや彼らを差別して扱うなど以ての外のこと。
彼らは龍馬の悪口も言わないし、こちらを挑発したりもしていないのだからなおさらに。
そのことは隊員刀たちとの、蟠りを感じさせない手合せセリフからも伺えます。

そしてだからこそ、どうして長曽祢虎徹にだけは辛辣な物言いをするのかも見えてきます。
彼は新撰組局長である近藤勇の刀。つまり自分と同じ、長としての使命を背負う刀。
自分と対等の立場であり、なおかつ「新撰組」の看板を背負う彼だからこそ、審神者にだけ見せていた本音を彼にだけは顕にしているのかもしれません。

同じ地平に立つ者として長曽根へと向ける目線は、このセリフからも伺えます。
長曾祢虎徹:ここで……ここで流れを変えられれば!
陸奥守吉行:やめちょき、やめちょき。ほがなことをしたち、なんちゃーじゃ変わりゃーせんちや
長曾祢:黙れ……! お前に何がわかる!
陸奥守:おまんの言うちょるのはただの感傷じゃ
長曾祢:黙れ……黙れ……
陸奥守:おまんの元主は、銃に撃たれてここに来れんかった。時代は、刀から銃に移っとったんじゃ
長曾祢:そんなの……言われなくたってわかってるんだ……!
———刀剣乱舞ONLINE『回想「近藤VS竜馬」』より引用
時代は刀から銃へと——旧き時代から新しき時代へと既に流れていた。
けれど長曽根の元主はそれを拒み、旧き時代をそのままにとどめようとしたために、新しい時代の象徴である銃に撃たれて命を落とした。
旧きものに縛られ、時代の流れを頑なに拒否する長曽根の元主は、新しい時代には決してたどり着けない。——例え、何度やり直したとしても。

長曽根の元主の不動不屈の意志を知り、その信念の固さにある種賞賛の念を抱いているからこそ、むっちゃんはことさら辛辣にこう言い放ったのじゃないかと思います。
中途半端に介入したとしても、彼の意志も運命も変えられない。それを認め受け入れ、隊員刀たちの長としてどんな時でも毅然としてあれ、と。


……

時代は拳銃ぜよ。やっとうなんて、時代遅れじゃ

むっちゃんにとって、「銃」は新しい時代の象徴であり、「刀」は旧き時代の象徴。
さらに、
長曾祢虎徹:剣を合わせれば自ずと相手の心中も見えてくる。お前は……
陸奥守吉行:さて、どうかのう? 心中を察したいがやったら言葉を交わしたほうがええと思うけんど

———刀剣乱舞ONLINE『手合せ』より引用
対話で解決を図ろうとするもの=龍馬は新しい時代の象徴であり、剣=力で語ろうとする新撰組は旧き時代の象徴。


龍馬が目指した新しい時代と、龍馬を殺した旧き時代。
むっちゃんが好むのは「新しいもの」、むっちゃんが憎むのは「旧きもの」。


龍馬の命を助けた、新しい時代の象徴「銃」と———、龍馬を助けられなかった旧き時代の象徴「刀」すなわち「自分自身」。

銃は剣より強し、じゃ

———刀剣乱舞ONLINE『攻撃』より引用
これは、ブルワー・リットンの戯曲『リシュリュー 』にある”The pen is mightier than the sword”——ペンは剣よりも強し——をもじったもの。
リシュリューが発表されたのが1839年、龍馬の生没年が1836年〜1867年なので、もしかしたら龍馬も生前どこかで触れたことがあるこの一文を戦闘の時に頻繁に口にするむっちゃん。

旧きものへの憎悪の念は、もしかしたら彼自身にも向いていて、だからむっちゃんは旧い時代の象徴である自分(刀)の色を消して、新時代の象徴である元主・龍馬さんを丸ごと写しているのかも。
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もしも初期刀を戦隊カラーで分けるとしたら……、

蜂須賀虎徹…クールで理性的、だけどプライドが高くて時々とんでもなく斜め上なブルー
山姥切国広…番組後半のもう一つの主軸となる追加戦士・シルバー
加州清光…かわいくてマイペースな甘えん坊。ピンク
歌仙兼定…文系力押し。隊を雅な色で染め上げるイエロー
陸奥守吉行…明るく元気なメカ好き。グリーン

……ん? あれ? 主人公となるレッドがいない気がする……?

というわけで、レッド不在の中からあえて主人公を選ぶとするなら。
主人公には「自身の色をあまり出さずに前半のメインストーリーをこなす」という役目があるので、

早めに解決しておくべきコンプレックスその他を抱えていない→歌仙兼定か陸奥守吉行

から、さらに

特別なクセがなく、広く受け入れられやすい→歌仙兼定
後半の軸となる「主人公が自分自身と戦い成長する」に必要な、大きな何かを抱えている→陸奥守吉行

となるけれど……、
キャッチーさという点では歌仙さんに軍配が上がるけど、ただ歌仙さん完成されすぎていて、後半のストーリーの要となる内なる悩みがなさそうなのが……うーん。

前半クール(〜6ヶ月)で、主人公にメインストーリーを無難に粛々とこなしてもらいながら、加州さんは依存心を・蜂須賀さんは真贋へのコンプレックスを断ち切り乗り越え一回り大きく成長する過程を見せ……、
後半クール(7ヶ月〜)で終盤へと進むメインストーリー、そしてそれと絡めた主人公の成長物語———内に抱えた大きな弱点とそれを乗り越える過程———を描きつつ、3クール目(7ヶ月〜9ヶ月)で追加戦士の山姥切さんの苦悩と葛藤———主人公たちと何度もぶつかり時には刃を向けあいながらも徐々に打ち解けていく姿を描き、最後は彼らの支えも借りて自分自身を乗り越えていく姿(乗り越えた後、それまで頑なに被っていたベールを取ると視聴者にも『あ、乗り越えたんだな』とわかりやすい)———をじっくりと描く。

……という典型的な物語構成だと、前半は目に見える弱点を抱えていない歌仙さんか陸奥守さんが。
後半、深い傷を抱えるがために誰をも拒絶する山姥切さんを広く優しい心で包み込み、たとえ剣先を向けられようとも傷つけられようとも彼の大きな味方でいることを絶対にやめようとしない役には、真贋の葛藤を乗り越えたゆえに彼の苦しみが分かる蜂須賀さんか、朗らかで優しい陸奥守さんが合いそう。

というわけで総合的に見れば
・陽気で優しく、人当たりもよい
・いかにもなイケメンではない、普通っぽくて親しみやすい容姿
・前半クールで片付けておくべき、目に見えるコンプを持っていない
・しかし後半クールでの成長の要となる大きな苦悩(龍馬への深すぎるこだわり)を抱えている
……な陸奥守さんが一番主人公ぽいんだけど、子供向けの特撮ものの場合には、主人公は良くも悪くも「あらゆる意味で標準的な人」であることを求められるから、方言キャラの陸奥守さんは局の方から(玩具の売り上げ的な意味で)NG出そう。個人的には方言キャラ主人公は好みだけれど、こと子供向け番組のレッドは「子供の手本となるような善良で、かつ突出した個性を持たない万人受けする人」が求められるので。
あるいは何作も重ねたシリーズものならマンネリ打破のためにも「アリ」になるかもしれないけれども、初期刀ファイブはいかにも第一作目ぽいから、制作側としても冒険は避けてくると思う。


個人的には、強くて自信家で精神的にそこそこ安定していて、鎧こそキラキラしてるけど容姿は誰にもわかりやすいクセのない美形で、後半の見せ場となる「乗り越えるべき大きな試練」を持っていて、なおかつ山姥切さんの苦悩に共感出来る蜂須賀さんが主人公に置いて安心キャラかなーと……前半クールは真贋差別を出さず皆をまとめ励ます役に徹底し、後半クールで山姥切さんに会った時か、長曽祢の方の虎徹さんに会った時にコンプ全開→乗り越えの過程を見せてくれたなら大丈夫かと。
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本当のところ、むっちゃんは龍馬さんのことをどう思っているのか。
これに関しては今のところ、統一見解は出されていないようです。

ある人は、龍馬さんはむっちゃんにとってかけがえのない、唯一無二の主だと言い。
ある人は、むっちゃんは本人の意志とは関係なく、世人が望むように心身とも龍馬ナイズされただけだと言い。
またある人は、むっちゃんは実は龍馬さんのことなど何とも思ってない、と言い。———

議論百出の中、では自陣のむっちゃんはどうなのか。龍馬さんのことをどう思っているのか。
台詞からその心情を推測してみました。

1. 龍馬さんに直接言及しているもの/刀剣男士「陸奥守吉行」として発言しているもの

わしは陸奥守吉行じゃ。そうそう、坂本龍馬の佩刀として知られちゅうね。土佐じゃー名刀として評判やったがやけど、龍馬の時代じゃ、もう刀は時代遅れじゃった。けんど、それが世界というもんぜよ
龍馬さんコピーでない「坂本家の守り刀・陸奥守吉行」の自我から発していて、なおかつ龍馬さんについて語っている唯一のせりふ。
対面している相手(審神者=プレイヤー)が、坂本龍馬の名を当然知っていることを前提として語られる「坂本龍馬の佩刀として知られちゅうね」からは、自分の元主・龍馬さんが誰もが知る維新の英雄であること、そして自分がその英雄に佩かれていたことへの誇らしさが伺えます。

2. 龍馬さんに間接的に言及しているもの/刀剣男士「陸奥守吉行」として発言しているもの

・龍馬さんが新撰組に狙われていたところから

新撰組の刀とは喧嘩になりそうぜよ。あいつら、時代の流れについていけんかったけのう
新撰組から命を狙われてはいましたが、龍馬さん自身は新撰組に対して特に思うところはなかったようです。
なのに「新撰組の刀とは喧嘩になりそう」と言っているということは、これはむっちゃん自身の思いから出た言葉だと見てほぼ間違いないでしょう。
陽気で優しい気性のむっちゃんに似合わず、忌々しいものを吐き捨てるように言われたこのせりふからは、時代が変わるのをよしとせず龍馬さんを惨殺した者達への、むっちゃんの押し隠した怒りが伺えます。

3. 龍馬さんの代弁とも取れるもの

ここから先のせりふは、むっちゃん自身の意志で言ったのか、それともむっちゃんの中に染み込んだ「龍馬さん」が言ったのか判別不明なものです。

・龍馬さんの「世界に出たい」という夢から

わしは陸奥守吉行じゃ。せっかくこがなところに来たがやき、世界を掴むぜよ! 

・龍馬さんが「銃の前には刀なんて役にたたない」と言ったフィクションから

時代は拳銃ぜよ。やっとうなんて、時代遅れじゃ

わしにゃあ、この銃があったら十分じゃがの?

銃は剣より強し、じゃ

・龍馬さんが北辰一刀流免許皆伝だったところから

(大和守安定の北辰一刀流の構えを見て)むっ? その構えは……?

・大政奉還で無血革命を成し遂げるなど、龍馬さんが戦いを好まず、和平・話し合いを持ってよしとしたところから

戦なあ……必要なら、仕方ないがのう

さて、どうかのう? 心中を察したいがやったら言葉を交わしたほうがええと思うけんど

戦で褒められても、微妙じゃな……

・龍馬さんが気に入った服をボロボロになるまで着ていたことから

えっへへへ、もともとボロ衣装やき、大差ないぜよ

・龍馬さんが新しもの好きだったところから

どうじゃ、わしの斬新な作品は!

新しい装備はわくわくするのう!

大砲とか、装備出来んかのう?

・龍馬さんの本家が商家だったところから

商談なら、わしに任せちょけ

・龍馬さんが海援隊の長だったところから

わしが長か!? おんしゃあ、わかっちょるのう!

・龍馬さんが暗殺者たちに踏み込まれる直前に発した言葉から

ほたえなや

・龍馬さんが大勢の刺客に取り囲まれ暗殺されたことから

囲まれたら終わりじゃ。気をつけい!

・龍馬さんが龍馬が新時代を見ずして夭折したことから

なんやあ……わしはここで終わりか……新しい時代、見たかったのう……

・むっちゃんの豪快かつ剛直な性格→龍馬さんが豪放磊落な性格で強い信念を持っていたところから

・むっちゃんの話し言葉は龍馬さんと同じ土佐弁

・むっちゃんの着物の着方は龍馬さんと同じ(いつも着物の前を開け広げて胸を晒していた)

・むっちゃんの髪型は龍馬さんと同じ総髪(月代を作らず、髪全部を後ろに束ねてしばり、そのままにしている)

・むっちゃんの髪は龍馬さんと同じ天然パーマっぽい

・右手をふところに入れたむっちゃんの通常立ち絵は、龍馬さんの一番有名な写真と同じポーズ

・内番の時むっちゃんが籠いっぱいに抱えている芋は、龍馬さんの好きな食べ物とも言われている薩摩芋

……
3.のせりふだけ見ていると、むっちゃんはただの龍馬さんのコピー、モノマネをしているだけに見えなくもありません。
しかしながら、龍馬さんを、そして龍馬さんの佩刀であった自分を誇らしく思う気持ち。あるいは龍馬さんを殺した「変化を拒む者たち」への怒りは、単なるコピーや、他者から「坂本龍馬っぽくあること」を強要されてのものからは出てこないんじゃないでしょうか。

つまり、だから、むっちゃんは。
少なくとも自陣の本丸にいるむっちゃんは、龍馬さんが大好きで大好きで、今も当時と少しも変わらぬ気持ちのまま彼を慕い続けているのだろうと思います———彼を殺した者たちに、今なお消えない怒りを煮え滾らせるほどに。

そして。
自分の思いは語らず、代わりにその姿を、しぐさを、性格を元主そっくりに写し、本丸でくつろいでいる時も、戦場の只中でも——敵の刃に斃れ事切れるその瞬間までも「元主だったらこう言うだろうこと」を口にするのは、そうすることで自分の中に”龍馬さん”を降ろし、自身は彼の物言わぬ”佩刀”となって、共にこの時代を生き、実際の龍馬さんが見ること叶わなかった新たな時代を二人で見ていくためなのかも知れません。


むっちゃんは今、龍馬さんとともに生きているのでしょう。


———台詞はすべて『刀剣乱舞-ONLINE-』より引用
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